股関節に石灰がたまる?「石灰沈着性股関節炎」とは

「朝起きたら、急に股関節が痛くて動けない!」
「特に心当たりはないのに、階段の上り下りが激痛…」

そんな突然のトラブルに驚いている方も多いのではないでしょうか。実はその痛み、関節の中に「石灰(カルシウムの塊)」が溜まって悪さをしているせいかもしれません。

今回は、意外と知られていない「石灰沈着性股関節炎」について、分かりやすく解説します。

石灰沈着性股関節炎とは?

一言で言うと、「関節の周りにミルク状や石のような石灰がたまり、それが炎症を起こして激痛を招く病気」です。

本来なら骨や歯を作るはずのカルシウム成分が、なぜか股関節の筋肉(腱)のあたりに沈着してしまうことがあります。それが何らかの拍子に関節内に漏れ出したり、体が「異物だ!」と判断して攻撃したりすることで、強い炎症が起きてしまうのです。

石灰沈着性股関節炎の症状

この病気の最大の特徴は、「急激にくる激痛」です。

突然の痛み: 昨日まで平気だったのに、急に歩けなくなるほどの痛みが出る。
動かせない: 足を上げたり、ひねったりする動作が困難になる。
熱感: 痛みがある場所が熱っぽく感じたり、腫れたりすることもある。
夜間の痛み: 寝返りを打つたびに痛みで目が覚めてしまう。

なぜ石灰がたまるのか?

実は、はっきりとした原因はまだ解明されていません。
しかし、以下の傾向があると言われています。

年齢: 40代〜50代の中高年の方に多く見られます。
性別: どちらかというと女性に多い傾向があります。
代謝の変化: ホルモンバランスや、体内のカルシウム代謝の変化が関係しているという説もあります。

「これって石灰沈着?」見分けるポイント

石灰沈着で当院に訪れる方によく聞かれる特徴は、とにかく「急な痛み」であることです。
きっかけがない: 転んだわけでも、ひねったわけでもないのに痛む。
夜、痛くて起きる: じっとしていてもズキズキと疼くような痛み。
熱をもっている: 痛い場所を触ると、反対側より熱い。

この「熱感」があるときは、強い炎症が起きているサイン。無理にストレッチをしたり、揉んだりするのは逆効果ですので注意してください。

石灰沈着性股関節炎の治療方法

痛みがピークの時は、何かをして治そうとする「足し算」よりも、刺激を減らす「引き算」が最優先です。
アイシング: 保冷剤などをタオルで包み、10分〜15分ほど冷やして炎症を鎮めます。
安静: 痛い動作を無理に行わない。
専門医へ: 強い炎症を抑えるのは、お薬や注射などの医療の得意分野です。まずは整形外科でレントゲン検査を受けることを強くおすすめします。

当院での治療方法

痛みが引いた後から我々の出番です。
お薬や安静で痛みが治まったとしても、「石灰が溜まりやすい体の環境」が変わっていなければ、再発したり、反対側の股関節を痛めたりするリスクが残ります。
私たちがサポートできるのは、ここからです。

股関節の可動域を広げる: 硬くなった筋肉を緩め、石灰が溜まりにくい「巡りの良い体」を作ります。
姿勢の改善: 骨盤の歪みを整え、股関節の一部にだけ負担が集中するのを防ぎます。
セルフケアの伝授: 無理のない範囲でできる、股関節を長持ちさせるための動かし方をお伝えします。