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FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)とは

FAIという言葉を初めて聞く人もいると思いますので簡単に解説すると
FemoroAcetabular Impingement の頭文字をとったもので日本語に訳すと
大腿骨寛骨臼インピンジメントになります。
股関節インピンジメントともいわれます。
インピンジメントは衝突という意味なので、
要するに股関節を動かすとどこかが衝突して痛みを発する状態の事です。

FAIの症状

FAIがどんな痛みや症状があるか解説します。

  • 股関節を曲げた時に全面が痛い
  • 長時間座ってると徐々に痛みが強くなる
  • 股関節の可動域が減少する
  • 階段を上る時や車に乗る時に痛い
  • 長時間の歩行でも痛くなる時がある

上記の症状を見ると変形性股関節症などの症状と似ているので判別が難しいのがFAIの特徴です。
股関節を曲げた時に制限があり前面に痛みがある場合はFAIを疑ってみましょう。

FAIの特徴は?

FAIの特徴は筋肉や靭帯に問題があるのではなく骨の形態異常に原因があります。
FAIには以下の3つのタイプがあります。

Pincer type(ピンサータイプ)

寛骨臼側に異常があるタイプ

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Cam type(カムタイプ)

大腿骨側に異常があるタイプ
cam-j

Mixed type(混合タイプ)

大腿骨と寛骨臼の両方に異常があるタイプ
mix-j

FAIの原因

股関節痛の多くは加齢による骨の変形や軟骨の減少が一般的です。
しかしFAIは若くてスポーツをしている人に多いことが特徴です。
FAIの原因は先天的に骨に異常があり、なおかつ運動により股関節に負担をかけて損傷が起きるためです。
それではそれぞれのタイプをもう少し専門的に説明します。

ピンサータイプの原因

ピンサータイプは30〜40歳代の女性に多くみられます。
このタイプは大腿骨側は正常であるが寛骨臼側に形態異常があります。
寛骨臼の縁に骨棘(こつきょく)といって骨が尖った状態の変形があり、股関節を曲げた時にそのトゲの部分に大腿骨がぶつかり関節唇という軟骨部分が衝突して損傷を起こします。
なぜ寛骨臼に変形が起こるかはまだ原因がわかっていません。

カムタイプの原因

カムタイプは20〜30歳代の男性に多くみられます。
このタイプは寛骨臼側は正常であるが大腿骨側に形態異常があります。
大腿骨の骨頭から頚部への移行部は本来くびれがありますが、この部分が平坦だったりやや膨らんでいます。
この状態で股関節を曲げると寛骨臼側の軟骨に衝突して損傷が起こります。
なぜ大腿骨に変形が起こるかもわかっていません。

FAIの治療

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FAIの多くは保存療法で改善します。
運動を制限し安静にして徐々にリハビリを行っていきます。

ただ運動をしている学生やアスリートは長期間安静が出来ず治りかけてはまた損傷するという繰り返しで痛みが長期化することが多いです。
またストレッチやマッサージなどで筋肉や関節の柔軟性を獲得することも重要です。
アスリートにおいては正しいフォームを獲得して関節の負担がかからない動きで再発を防ぐことも必要です。

関節唇の損傷が強い場合は手術を行うこともあります。
またまれではありますが骨の変形部を切除する手術を行う場合もあります。

まとめ

スポーツをしていて股関節に痛みがある場合はまずグロインペイン症候群を疑います。
これは一般的には筋肉の使いすぎによる損傷なので骨の変形が原因のFAIとは大きく異なりますが股関節を深く曲げた時に痛みが出るという点ではどちらの可能性も考えられます。
また女性ですと臼蓋形成不全による痛みの可能性もあるのでいずれにせよ痛みが長く続く場合はX線やMRIなどの検査が必要です。

FAIというのはここ数年で浸透してきた概念で診断できる医師が少ないため見落とされことが多いです。
触診や検査だけでは判断が難しいので治療家にとっても難しい疾患の一つです。

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