早速ですが、骨盤底筋群のケアはじめていますか?
妊娠・出産と深く関わる「体の土台」について
「産後、くしゃみで尿もれが…」
「お腹がぽっこりして戻らない」
「下腹部が重だるくて、何か落ちそうな感じがする」
これらは、すべて“骨盤底筋群の不調”が関係している可能性があります。
妊娠2ヵ月以降から出産を経て、女性の身体は劇的に変化します。中でも、見逃されがちなのが「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」という筋肉の存在です。
この記事では、この筋肉に起きる変化とその対処法をわかりやすく解説します。
骨盤底筋群とは?
骨盤底筋群 とは、 骨盤の底にあるインナーマッスル(表層、中間層、深層と3段階の層の筋肉達)の集まりです。膀胱・子宮・直腸など、内臓を“下から支えるハンモック”のような働きをしています。
骨盤底筋群は主に以下のような役割を担っています:
・尿や便を我慢する(排泄コントロール)
・骨盤内の臓器を正しい位置に保つ
・骨盤を安定させ、姿勢を保つ 等々・・・
この筋肉は妊娠中に赤ちゃんの重みで徐々に引き伸ばされ、出産時には最大限に伸びて、さらに大きなダメージを受けます。

骨盤底筋群が“不調”を起こすとどうなる?
骨盤底筋群の働きが低下することを、専門的には「骨盤底筋機能不全」といいます。
以下のような症状が現れることがあり、これらは出産経験のある女性の多くが一度は経験することです。
1. 尿もれ(腹圧性尿失禁)
くしゃみ・笑う・ジャンプなど、ちょっとした腹圧で尿が漏れてしまう状態です。
→ 骨盤底筋が内臓を支えきれず、尿道を締める力が弱まることで起こります。
2. 臓器脱(骨盤臓器脱)
膣から子宮や膀胱の一部が「下がってくる」「何かがはみ出ている感じがする」などの違和感がある状態です。
→ 骨盤底筋の“支え”が弱まり、臓器が本来の位置からずれてしまう現象です。
3. 姿勢不良や腰痛、骨盤の不安定感
骨盤底筋は、体幹(コア)を支える深層筋とも連携しています。そのため、弱くなると猫背や反り腰、腰痛を引き起こす原因になります。
4. ぽっこりお腹
出産後にお腹がへこまない原因の一つが、骨盤底筋がゆるみ、内臓が前方に落ちてくることです。

骨盤底筋群の「産前」と「産後」の違い
妊娠中(産前):
1.赤ちゃんの成長に伴い、骨盤底筋は“常に引っ張られている状態”
2.ホルモンの影響で筋肉・靭帯がゆるみやすくなる
3.長時間立っていると、下腹部に重みやだるさを感じることも
出産後(産後):
1.出産によるダメージで筋肉が伸びきっている
2.筋肉が「うまく力を入れられない」状態に
3.抱っこや授乳姿勢でさらに骨盤まわりに負担がかかる
つまり、妊娠中から産後にかけて「骨盤底筋群はフル稼働」しながら、休む間もなく酷使され続けているのです。
骨盤底筋群を守るためにできるケア
① ペリネトレーニング(骨盤底筋トレ):代表的なセルフトレーニング。方法はとても簡単です。
1. 仰向けか椅子に座る(楽な姿勢でOK)
2.肛門・膣を「ぎゅっと締める」→5秒キープ
3.ゆっくり力を抜く→5秒休む
※10回1セット、1日2〜3セット
※ 呼吸は止めずに自然に。お腹やお尻には力を入れすぎないようにしましょう。
② 整体による骨盤と筋肉バランスの調整
専門家による産前・産後整体では、以下のようなケアが可能です。
・骨盤の開き・ゆがみの調整
・インナーマッスル(体幹)へのアプローチ
・呼吸や姿勢の改善指導
・骨盤底筋に負担をかけない動き方の指導
整体を受けることで、「トレーニングがしやすい状態」に整えることができます。
③ 呼吸法の活用(腹式呼吸)
骨盤底筋は横隔膜とも連動して働いているため、深くゆっくりした呼吸は筋肉の活性化にもつながります。
「吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにゆっくりへこむ」ように意識すると◎
骨盤底筋群ケアは、“長くママでいる”ための基礎づくり
骨盤底筋のケアは「見た目を整える」だけではありません。
尿もれや腰痛を防ぎ、内臓の健康やホルモンバランスを整えることにもつながります。
特に、30代以降・出産経験のある女性にとっては、今のうちからケアしておくことが、将来の“女性の健康寿命”を守ることにもなります。
ママの体の声に、耳をすませて
妊娠も出産も、本当に素晴らしい経験です。でもその裏で、体には見えない負担がたくさんかかっています。
特に骨盤底筋群は、自分でも意識しづらく、つい見逃してしまいがちな筋肉。
でも、ちょっとのケアと意識で、体は必ず応えてくれます。
「ママになったからこそ、自分の体を大切にする」
それは、赤ちゃんの笑顔にもつながる大切な一歩です。













