膝の痛みにヒアルロン酸注射は効果ある?

膝の痛みは、日常生活や運動を制限し、生活の質を低下させる悩みの一つです。
特に年齢とともに膝の関節軟骨が摩耗し、関節炎などの症状が現れることがあります。
これらの痛みに悩まされる多くの人々が、痛みの軽減や生活の改善を目指してさまざまな治療法を模索しています。

今回のテーマはみなさんも一度は聞いてことがあるであろうヒアルロン酸の注射です。
本記事では、注射するヒアルロン酸の効果やメカニズムについて解説し、膝の痛みに悩む方々に役立つ情報を提供したいと思います。

ヒアルロン酸とは


ヒアルロン酸(Hyaluronic Acid)は、体内に存在する多糖類(糖鎖を持つ高分子化合物)の一種です。主に結合組織や軟骨、皮膚、眼球、関節液など、体内の様々な部位に広く存在しています。
ヒアルロン酸は特徴的なゼリー状の粘性を持ち、水分を大量に保持する能力が高いことが特徴です。

ヒアルロン酸は美容の分野でも広く利用されており、皮膚の保湿やシワやたるみの改善に効果があります。

膝の痛みにはどのような効果があるの?


ヒアルロン酸注射は、公的医療保険で認可されており、「変形性膝関節症」「変形性股関節症」「肩関節周囲炎(五十肩)」「関節リウマチ」に対してのみです。自由診療では、部位制限がないので他の関節痛の治療にも用いることが可能です。
関節に対する注射は以下のような効果が期待されます。

①痛みの軽減 : ヒアルロン酸は関節内の滑液の主成分であり、関節を潤滑に保ちます。関節内に注射されたヒアルロン酸が関節表面にコーティングを形成し、摩擦を軽減し、痛みを和らげる効果があります。

②関節の機能改善 : ヒアルロン酸の注入によって関節の潤滑性が向上し、関節の動きがスムーズになります。これにより、関節の可動域が改善され、日常生活や運動時の機能が向上することが期待されます。

③炎症の軽減 : ヒアルロン酸は関節内の炎症を軽減する効果もあります。炎症が軽減されることで、関節周囲の腫れや痛みが減少し、関節の状態が改善される可能性があります。

ヒアルロン酸のデメリットは

ヒアルロン酸は元々体内に多く存在する成分で悪影響はほとんどありませんが膝の注射には以下の様なデメリットもあります。

①効果が一時的 : ヒアルロン酸注射は症状を一時的に軽減することがありますが、その効果は持続性が限られています。一般的には数か月から1年程度で効果が薄れることがあります。そのため、定期的な注射が必要となる場合があります。

②副作用の可能性 : ヒアルロン酸注射を行った後に、一時的な注射部位の痛みや腫れが生じることがあります。
また、稀に感染症や出血、関節内の炎症などの副作用が発生する可能性もあります。適切な医師の指導のもとで施術を受けることが重要です。

まとめ

変形性関節症がある方に「ヒアルロン酸は効果がありますか」とよく聞かれます。
ヒアルロン酸の効果を正しく理解して注射を受けるのであればすすめますが、稀に注射する事で軟骨が再生されたり損傷した組織が修復されると思い頑張って整形外科に通っている方がいます。
あくまでも一時的な痛みの緩和で治療ではないことをお伝えします。
注射しても効果がない方は何回打っても効果が出ない可能性が高いので違う方法で痛みの緩和を検討してみてください。

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