股関節唇損傷
股関節唇損傷とは
股関節唇とは、骨盤のくぼみの部分「臼蓋」の周囲を幅4~7mmで環状にとりまいている部分です。
軟骨繊維で構成され、唇状の形をしています。大腿骨頭を包み込んで臼蓋に収まりを良くし、
外部からの衝撃を吸収しています。
股関節唇には神経が通っているため損傷を起こすと痛みが生じます。
股関節唇が股関節の動きによって損傷してしまう事を股関節唇損傷といいます。
股関節唇損傷の症状
股関節唇損傷が起きるとどのような痛みや症状がでるか以下にまとめました。
変形性股関節症や臼蓋形成不全の時と症状が似ているので症状だけでは判断が付きにくいのが特徴です。
- 脚を動かす動作で痛みやひっかかりを感じる
- あぐらのような股関節を開く動きで痛みや違和感を感じる
- 股関節を内側に倒すような動きでも痛みや違和感を感じる
- 靴下をは、爪を切る時にも痛みや違和感を感じる
- 車に乗る時や椅子から立ち上がる時に痛みや違和感を感じる
股関節唇損傷の原因
もともとの股関節の形態異常が原因となって起こることが多くあります。
臼蓋形成不全で股関節の不安定性が生じた場合や、FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)により骨と骨の衝突で股関節唇が損傷することがあります。
FAIについては下記のページを参照してください。
FAIとは(大腿骨寛骨臼インピンジメントの解説)
股関節唇損傷の治療
保存療法
股関節唇損傷は症状が自然軽快することも多いため保存療法を行います。
痛みが強い場合は鎮痛剤などを服用しながら運動制限や歩行制限をして痛みが治まるまで安静にします。
股関節の安定性が重要なのでバランスの調整や筋力強化などのリハビリも重要です。
手術
保存療法で効果がない場合は手術を行う事もあります
関節唇損傷部分には関節鏡視下手術により、股関節唇を修復もしくは再建します。
FAIによる股関節唇損傷に対しては、同時にインピンジメントの原因となる骨を切除し、さらに関節包を縫合します。
臼蓋形成不全によるものに対しては、関節唇の処置に追加して、骨切り術もしくは臼蓋形成術が必要になることもあります。
関節唇損傷で悩まされた芸能人
松本人志
平成 22 年 に左股関節唇損傷の診断を受け2か月程度休養しました。
日常生活は支障なかったのですが長時間立っていることや動きのある仕事が難しくなったため休養し手術をしました。
手術は無事成功しご存じの通り精力的に活動されています。
レディーガガ
アメリカの人気歌手、レディーガガも股関節唇損傷で手術をしています。
2013年ツアー開催中に股関節痛の痛みを我慢しながら活動を続けていましたがついに痛みの限界を超えすべての活動を中止して手術を決心しました。
26歳の若さで4ヵ月ほど仕事が出来ない日々が続き精神的にもかなり大変だったようですがその後、見事に復帰して現在も活躍しています。
手術は関節鏡視下手術でしたが関節唇の損傷が激しく、もう少し治療に入るのが遅かったら人工関節の手術が必要だったようです。