顎関節症とめまいの関係性について

めまいは男性より女性に多くみられ、女性の3割以上がめまいを経験しているというデータがあります。
当院で顎関節症に悩む方では半数以上がめまいにも悩ませれています。

めまいの原因は人によって様々で複数の要因が合わさって発症するため治療法を確立する事が難しい症状です。
顎関節症が原因でめまいが引き起こされるという歯科医の論文も多くあるため顎関節症を改善する事がめまいの解消にも役立つ可能性があります。

そこで今回は顎関節症とめまいの関係性についてを解説していきます。

めまいとは

めまいといっても色々な種類のめまいがあり、「目が回る」「天井がグルグル回る」などと表現される回転性のめまいや、身体がフワフワ浮いているような感じ、あるいはユラユラ揺れているような感じの動揺性のめまいなどがあります。

①回転性のもの

回転性のめまいは内耳と視覚と筋肉からなる、身体のバランスを保つ機能(平衡機能)の異常により起こります。
耳の病気や脳の病気が原因と考えられます。
例えば、代表的なものにメニエール病があります。めまいのほかに耳鳴り、難聴などの症状が現れます。

②動揺性のもの

動揺性のめまいは脳腫瘍や脳梗塞、脳血栓といった脳血管障害(または脳血流障害)など、脳に原因があることもあります。また高血圧やうつ病が原因ということも考えられます。

顎関節症とめまいの関係性

顎関節は側頭骨(耳の周りに位置する頭蓋骨)と下顎骨(アゴの骨)の間に位置する関節でこの奥には三半規管と呼ばれる器官が通っており、この三半規管の運動が平衡感覚に関わっています。
顎関節の異常によって、三半規管が刺激されることで、平衡感覚に異常を引き起こし、めまいを発症する可能性があります。
当院に訪れる患者さんでは、三半規管の異常と思われる回転性のめまいがある人もいればふわふわと揺れるような感覚のめまいがある人など様々なパターンが見られます。

顎関節症が原因のめまいの対処法は?


顎関節症によるめまいを改善させる具体的な方法をお伝えします。
自分でも出来ることはありますが当院での施術でほとんどカバーしています。

顎関節症の治療

顎関節症の原因を取り除くことが、めまいの改善につながる場合があります。顎関節症の治療法には、物理療法、歯科治療、薬物療法などが一般的と言われていますが当院では筋肉・骨格・姿勢・日常生活改善など様々な角度からアプローチしていきます。

ストレスの軽減

ストレスが顎関節症を悪化させることがあり、めまいの原因にもなることがあります。ストレスを軽減するためには、適度な運動、深呼吸、リラックス法などを取り入れることが効果的です。

頭部のマッサージ(咀嚼筋)

頭部のマッサージをすることで、頭痛や肩こりなどの症状が改善されることがあります。ただし、強い圧力をかけすぎると、逆に症状を悪化させることがあるため、優しく行うようにしましょう。

姿勢の改善

姿勢が悪いと、顎関節症やめまいの症状が悪化することがあります。顎関節は頭のバランスの異常が原因の事も多く姿勢の改善は重要です。
正しい姿勢を意識して、座り方や立ち方を改善することが大切です。

まとめ

今回は顎関節症とめまいの関係性について記述しましたが、実際のところ顎関節症の影響でめまいが発症するケースは少ないと考えています。
というのはめまいと顎関節症の両方を持つ方は自律神経の乱れを訴える方が多くどちらの症状を持つ方はほとんどが自律神経の異常からくるパターンだと考えます。
自律神経の乱れは交感神経を優位にするため歯ぎしり・食いしばりを引き起こし顎関節症になる事が非常に多いです。
また交感神経が優位に働くと血管を収縮させ血流不足を引き起こし頭痛・めまい・耳鳴りなどの原因となります。
したがって自律神経の乱れを整えることで顎関節症とめまいを同時に改善する事が可能です。

当院で行うカイロプラクティックでの治療は神経系に働きかけ副交感神経を優位にする事で自律神経を正常化する効果も期待できます。
顎関節症だけでなく自律神経の乱れにお悩みの方も必ず初診時にお伝え下さい。